不安感・焦燥感・イライラで辛い思いをしているACの方へ。その生きづらさは「欠乏欲求」の衝動と関係しています。

皆様こんにちは、臨床心理カウンセラーのNOAです。

いつまでも満たされない、何をしても集中できない、不安で落ち着かないし、何とかしなくちゃと追い詰められてしまうといった心理状態に陥って人生が苦しかったり悩んだりしていませんか??

  • 不安感
  • 焦燥感
  • イライラ
  • 不満

実は、こんな心理状態に陥ってしまう原因は「欠乏欲求による衝動」が関係しております。そう、環境を変えても上手くいかず、常に不安や焦燥感に駆られてしまうのも理由があったんです。

もちろん、欠乏欲求による衝動に駆られてしまうのも毒親・ブラック家庭の影響ですが、どうしてそんな心理状態になってしまうのか?

欠乏欲求の仕組み」や「不安やイライラ、焦燥感から解放される」にはどうすればいいのか、心理学の面からも紹介します。

そもそも「欠乏欲求」とは何のことなのか?

文字通り「欠乏欲求」は、「不安でたまらない」「~という状況から解放されたい」「何とかしないといけない」といった危機感から発生する欲求のことです。

疲れたから寝たい、お金がなくて不安だから働くといった欠乏感によって突き動かされる欲求になるので、自分を成長させたいといった前向きな欲求ではなくどちらかというと他人や環境に依存していたり、危機感や焦燥感によって駆り立てられる欲求になります。

欠乏欲求とは

欠乏欲求

欠乏欲求という言葉を聞いたことはあるだろうか?

心理学者マズローによる理論で、低次の欲求(生理的欲求、安全の欲求、所属と愛の欲求、承認の欲求)のまとめて欠乏欲求と呼んでいる。

下記は欠乏欲求の例だ。

  • お腹が空いた(生理的欲求が不足)
  • 収入が少なくて不安を感じる(安全の欲求が不足)
  • 孤独を感じる(所属と愛の欲求が不足)
  • 無視をされて傷ついた(承認の欲求が欠乏)

このように何かが失われた状態になったとき、僕らはそれぞれの欲求を満たそうと強い衝動が引き起こされる。

一方、欲求が満たされると僕らは欲求があったことを忘れて、他に欠けている欲求を満たそうと行動する。

 

上記の例にもある通り、

  • お腹がすく
  • お金がない
  • 孤独を感じる、人間関係がうまくいかない
  • 無視されて傷つく・・・など

 

の環境に置かれると、何とかしないといけないといった強い衝動に駆り立てられてしまいます。

これが欠乏欲求から来る不満・不安・焦燥感・イライラです。

欠乏欲求は「対人関係のストレス」「いじめ・パワハラ」「孤独」などの人間関係がうまくいかない場合も同様です。社会的欲求・承認欲求が満たされていないために、強い衝動に駆り立てられて不満・焦燥感・不安・イライラしてしまいます。

上記のような不足感・不快感などの欠乏が原動力となって引き起こされる欲求を「欠乏欲求」と呼び、低次の欲求(生理的欲求、安全の欲求、所属と愛の欲求、承認の欲求)のことを指します。

 

では、ブラック企業での欠乏欲求の例を見てみましょう。

ブラック企業での欠乏欲求の例

例えば、ブラック企業で働いている方の場合、激務で睡眠不足や十分な食事をとれないなどで生理的欲求がみたされてません。

また、いつ首を切られるか分からないので会社が安全な居場所ではないから安全欲求も満たされていません。

給料も十分ではないのでいつもお金がないという不安感や欠乏感が付きまといます。

また、会社が安全な場所ではないので所属欲求もみたされません。

会社によっては、無視、いじめ、罵声、パワハラも放置されているため、健全な人間関係が構築できないから、承認欲求も満たされません。

この場合、一生懸命働いても全く「欠乏欲求」が満たされていないのが分かりますよね。

そうなると、働いても働いても自分が満たされるどころか、さらに不安感や焦燥感や欠乏感に悩まされていきます。

 

逆にホワイト企業の場合は、十分なお給料・睡眠時間の確保ができていて、雇用も安定している、優しい同僚にも恵まれているから、生理的欲求・安全欲求・社会的欲求も十分満たされます。またいい環境下では他人の活躍を自分のように喜ぶので自然と承認欲求も満たされます。

 

今回は分かりやすく、ブラック企業・ホワイト企業の対比で説明したのですが、職場がすべてではありません。あくまで例です。

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アダルトチルドレンが不安や焦燥感に悩まされるのも「欠乏欲求」抜け出せないことが原因

アダルトチルドレンの場合も同様のことが言えます。

上記のブラック企業をブラック家庭に置き換えてみましょう。

ブラック家庭での欠乏欲求の例

家庭環境のせいで我慢を強いられて、病気になって放置されたり、食べたいものが食べられないと生理的欲求が満たれません。

また、ブラック家庭では家庭自体が安心できない場所なので、安全欲求も所属欲求も満たされません。

当然、自分の子どもを貶したり汚い言葉で脅したり、ネグレクトみたいに無視しているので承認欲求も満たされませんよね。

ブラック家庭では、すべての欠乏欲求が満たされないのでこどもは不安感や焦燥感に常に悩まさせれてしまいます。

ブラック家庭では成長欲求も満たされない

「~になりたい」「~をして上達したい」といった成長欲求でさえも親の望んだことしかさせてもらえなかったりするため「成長欲求」も満たされません。

習い事などで自分でやりたいことを達成していければいいのですが、毒親は子どもをからかったり心無い言葉で挫折させたりもします。

成長欲求も満たしていくことが難しい場合も多々あるのが現状です。

そうなると、何をやっても無駄と思いこんでしまう場合もあるので自己肯定感も低くなるし、成長欲求そのものが視野に入らないのでずっと欠乏欲求の衝動に悩まされてしまう人生を歩んでしまいます。

 

アダルトチルドレンが「欠乏欲求」から抜け出ることが難しい原因とは

因みに日本人の多くは「欠乏欲求」によって駆り立てられて、働いたり行動していますのでアダルトチルドレンだけの問題ではありません。

でもACの場合は、「欠乏欲求」に振り回されている環境が当たり前だったのでその辛い環境が正しいと思い込んでしまっているから余計に欠乏欲求から抜け出すのが難しい場合があります。

例えば、

  • 生理的欲求さえも無意識レベルで我慢している方が多い。
  • アダルトチルドレンの場合「欠乏欲求」による不安感や焦燥感が当たり前なので、その「欠乏欲求」を満たすために頑張ることしか視野にない。
  • 自己肯定感が低いことが影響して「成長欲求」を軸として生きることが難しい。

などが考えられます。

アダルトチルドレンが欠乏欲求から抜け出す方法とは?

欠乏欲求すべてを満たすことは難しい

「欠乏欲求」の特徴としては環境依存度がとても高いため、すべてを満たすためには安全な居場所・他人との関わりが必要になってきます。なので自分だけですべてを満たすことは困難だと思ってください。

「欠乏欲求」をすべて満たせる環境であればいいのですが、アダルトチルドレンを含めそうではない環境の方がほとんどです。

成長欲求を軸に生きる

そのため、欠乏欲求をすべて満たしていくということよりも「成長欲求」を軸に生きていくことが必要になります。

例えば、目標を達成しようと頑張っている人は他のことに気を取られていないし真っすぐ目標に向かってますよね?「目標を達成できない」なんて考えないで挑戦していく姿勢が重要です。

また、いくら成長欲求だけを軸に生きようとしても自分自身の欲求が何も満たされない場合は強烈な欠乏欲求による衝動に襲われてしまうので、欠乏欲求の仕組みを理解したりできる範囲で自分を満たしていくことも必要です。

欠乏欲求の衝動から抜け出すためのステップ
  1. 欠乏欲求の仕組みを理解する。
  2. 自分を大切に扱うことで欲求を満たす。
  3. 成長欲求を原動力に生きる。

 

1.欠乏欲求がどのように刺激を受けてしまうのかを理解する。

まず一般的に社会や企業は、成長欲求を刺激するよりも欠乏欲求を刺激した方が消費を促すと考えております。

そのため、町を歩けば様々な広告が張り出されていますが、どれも「欠乏欲求」を刺激して消費を促すように作られているといわれております。

例えば、快適な睡眠・快適な生活をするためのインテリアやグッズは生理的欲求を刺激していますよね。金運グッズは安全欲求を刺激しているし、出会い系は所属欲求を刺激していますよね。

睡眠・空腹・お金・欲しい物・人間関係などの欠乏欲求を刺激された場合でもそれは欠乏欲求を刺激されているだけという認識を持って冷静に考えてみてください。

そうすると、命の危機的状況を侵されている以外は、不満をいただいたり不安や焦燥感に駆り立てられる必要もないことに気づくと思います。また感情の起伏が激しいのも毒親の影響です。本来は感情は自分で決めていいものなので敢えて感情的になる必要もありません。

何か不安や焦燥感に駆り立てられてもそれは、「欠乏欲求」によって引き起こされているのではないかということを疑って冷静になりましょう。

2.自分を大切に扱うことで自分自身を満たします。

しかしながら、我慢しすぎたり自分ばかり犠牲にしていては、欠乏欲求以前に人生がとても辛いものとなってしまいます。

自分自身を大切に扱うことができないと他人からも蔑ろに扱われてしまいます。いくら「成長欲求」だけを軸にして生きようとしても欠乏欲求からの衝動はできるだけ抑えたほうが人生もうまくいきます。

ACの方は自分をいつも犠牲にしてしまって大切にできていない方が多いので、是非以下をご覧くださいね。

自分を大切にする方法は以下をご覧ください↓↓

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3. 欠乏欲求よりも成長欲求を原動力に生きる

「欠乏欲求」を満たすには、

安全や所属、愛情関係、尊敬を求める欲求を満足させるためには、他人の関与が欠かせません。

そのため欠乏欲求が原動力になっている人は「環境依存度」が高いのです。

成長欲求中心だと他人や環境に依存しない!

対称的に成長欲求が中心で生きている人は、

才能の開拓は自分ごとであり、他人に依存しないという特徴があります。

そのため、欠乏欲求中心に生きている人よりも環境依存度がとても低いのです。

成長欲求を原動力として生きるためには、自分の達成したいこと・自分の成長などを意識するとともに、自分の好きなことや才能を見出して努力していくことが必要となります。

成長欲求を原動力として生きると、環境依存度が低くなり、他人や環境からの刺激が気にならなくなっていきます。

注意

「成長欲求」を軸に生きていくためには、自分で目標や達成したいことを決定して、それに向かって達成していかないといけません。

アダルトチルドレンが達成していくことが難しい理由は自己肯定感が低いために、「自分にはできない」「やっても無駄」「できるわけがない」・・なんて根底に思ってしまっているから、目標を達成していくこと自体が不可能だと考えてしまっているため「成長欲求」が分泌されません。

そのため、まずは自己肯定感を上げていくことが必要となってきます。

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さいごに

アダルトチルドレンが不安感やイライラや焦燥感に駆り立てられる大きな原因は、「欠乏欲求」による強い衝動によるもので、「成長欲求」よりも「欠乏欲求」を軸として生きているために余計に強い衝動に駆られてしまいます。

ブラック家庭のような環境で育ってしまうと「成長欲求」も健全に発動しないので私も含め本当に残念だったけれど、過去の環境を悔やんでばかりいても前に進むことはできませんよね。欠乏欲求の仕組みを理解したり、自分をできるだけ満たしてあげたり、自分のやりたいことを探したりして自分本位で生きていくことが大切です。その上で自分が達成したいことをじっくりと取り組んで達成していくことが成長欲求を軸にして生きていくことになります。

自分にはできないと思い込んでむしゃくしゃしているくらいなら、どんどん行動に起こして、努力して達成していくことによって成長欲求も高められるので欠乏欲求の衝動に振り回されなくなるし、自分の成長と経済的な自由も手に入れられるようにもなると思われます。

 

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