心から楽しめなったり、幸せな時も辛い感情が湧いてきてしまうなどといった違和感を感じてしまうのもアダルトチルドレンの生きづらさの一つですが、
楽しいといった感情は素直に感じられないのに、逆に辛い感情は疑いなしにどっぷり浸ってしまうことが多いのではないでしょうか?
辛い感情が湧いてくることによって、心から楽しめないだけでなく、いろんな感情が混ざり合うので疲れやすくなってしまうといったこともあります。
今回は、個人的な見解を含めて説明していきます。
楽しいときも辛い感情が湧いてくる、楽しめない原因は?
楽しいときも辛い感情が湧いてくると、今が楽しくてもどうせまた苦しまないといけない・・・って考えてしまって何事も楽しめないし警戒してしまいますよね。
- 楽しいことをしているのに楽しんでいいのかと考えてしまう。
- 幸せなことを考えていてもドロドロとした辛い感情が湧いてくる。
- いいことがあって辛い感情が湧いてくる。
- 感情の起伏が激しい
原因として考えられるのは他にもありますが、今回は3つの要因をピックアップしました。
楽しめない、辛い感情がわいてくる原因とは
- フラッシュバックが原因で辛い感情が湧いてくる
- いつもの精神状態に戻ろうとする
- 二元論的な思考に支配されている
その中でも今回は、4番目の二元論思考についてメインに解説していきます。
1.フラッシュバックによるもの
やや個人的な見解になりますが、楽しいときに辛い感情が湧いてきたりするのは「フラッシュバック」が関係しています。
楽しいときにこんなに楽しんでいいのかといった余計なことが頭をよぎるのも、過去にあった出来事やトラウマの一部が一瞬呼び戻されてしまうからだと考えられます。
特に、今の上手くいかない原因を過去のせいにして嘆くのが癖になっていると余計にフラッシュバックの餌食になってしまうんです。そうなると楽しいときでもフラッシュバックが起きて辛い感情が湧きあがってきます。
▼フラッシュバックが起きる仕組みはこちら
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「嫌われる勇気」にも書いてありましたが、今が辛い原因を過去のせいにしてしまえば今を変えない言い訳になるといった内容でしたがあながち間違ってはいないと思います。
自己肯定感が低くて生きづらい、人間関係がうまくいかないなど・・・課題はたくさんあるかもしれませんが少しずつ認識や考え方を変えていくだけで辛い感情が湧きあがることも少なくなっていきます。
2.いつもの自分の精神状態に戻ろうとしてしまう。
アダルトチルドレンの症状に悩まされている場合、フラッシュバックが起きたり生きづらさを感じていたりするのであまり精神状態がいいとはいえない状況です。
せっかく、楽しいことがあっても、素直に感じられなかったり、どうしていいか分からなくなってしまうのも、いつもの悪い方の精神状態に戻ろうとしている可能性があります。
潜在意識や人生もなかなか変わっていかないということも関係しているのですが、いいことがあっても今までの状態に戻ろうとしてしまうために辛い感情が横切ったり、違和感を感じてしまうといったことがあります。
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3.二元論的な思考に支配されている
大きな原因として、「二元論的思考」が関係していると思われます。
アダルトチルドレンの方は、幼少期から極端な対比を余儀なくされる世界に晒されてきました。
自分と他人の両極端な状況を見せつけられて育ったことによって両極端に対比して考えてしまう思考になったり、いいか悪いかをジャッジしてしまいます。
・貧乏とお金持ち
・幸せと不幸
家庭環境を通じて常に両極端な対比の世界に晒されているからこそ、幸せ・不幸以外なこと以外についても両極端な思考をしていくようになります。
二元論に支配されると・・・
- 自分の状況と無意識に比較してしまうことから、幸せなことを聞いても本人は辛い感情ややりきれない感情がわいてきます。
- 無意識に両極端な状況を比較してしまうことから、幸せなことを考えていたり楽しい時も、辛い感情が湧いてしまいます。
では、二元論についてもう少し詳しく解説していきます。
二元論とは
二元論は、物心二元論や心身二元論などがありますが、心身二元論≒物心二元論として考えてもらって結構です。
心身二元論=
「物」=目に見える姿や形があるもの。
「精神」=目に見えないもの。
また、二元論というものは精神とものだけではなく、「正反対のものを比較して考えている」と定義されています。
二元論(にげんろん、dualism)とは、世界や事物の根本的な原理として、それらは背反する二つの原理や基本的要素から構成される、または二つからなる区分に分けられるとする概念のこと。例えば、原理としては善と悪、要素としては精神と物体など。二元論的な考え方は、それが語られる地域や時代に応じて多岐に渡っている。二元説とも言われるが、論理学における矛盾原理および排中原理とは異なる。
二元論-Wikipediaより引用
二元論は「正反対のものを比較して考えている」ということは、「善と悪」、「精神と物体」以外のものにも当てはまります。
・不幸と幸福
・貧乏とお金持ち
・正義と悪
・努力と怠惰
・優しい人とそうでない人
・仕事ができる人とできない人
・病気と健康
・天国と地獄
・成功と失敗
・若さと老い
・会社員とフリーランス
人間は様々なことを二元論に基づいて考えてしまうのですが、特にアダルトチルドレンは常日ごろから二元論的な相反するものを比較してしまうといった考えを無意識に考えてしまう環境に晒されているので、普通の人よりも無意識に二元論的な思考に陥っていると思われます。
ACが幸せと思うことも、普通の家庭の人にとっては普通のこと。
アダルトチルドレンにとっては普通の家庭で育った人は幸せに見えますよね!?
でも普通の家庭で育った人にとっては当たり前の光景だから幸せでも不幸でもなく普通のことです。
しかも子ども時代も自分の環境と他人の環境について違いをわざわざ見せつけられるような状況にいたわけではないから幸せも不幸も認識していません。
なので、いちいちそれが幸せなんて考えないし、同様に~は不幸だということも日常生活でわざわざ考えないのです。
また、躾がされているから立ち回りも上手いし、トラブルや感情的になってしまうようなことも予め起きないようになっているとも言えます。
ACの方からすると、うらやましい日常だけど本人は至って普通なので何も思っていませんし、いわゆるグレーゾーンの中にいるのです。だからわざわざ比較もしてこないし、幸せだからといってハイテンションになっているわけでもありません。
家庭環境も学校でも感情的になるようなことも起きないし、幸せや不幸も認識していないと考えられるので、無意識に両極端な思考もしないということが分かります。
二元論や白黒思考から解放されるだけでも人生がラクになる!
二元論的思考から解放されるには、二元論の外の世界も知ることや、自分の考え方の癖を知る、意味もなく流れていくニュースや出来事にいちいち反応しないようにしていきます。
二元論の外の世界とは
二元論の外の世界、つまり二元論に囚われない世界とは、
・不幸も幸せもない
・生きても死んでもいない
・楽しいも辛いもない
・善と悪もない
・いいことも悪いこともない
・お金持ちも貧乏もない
といった世界観です。「~がない」「~と~を比較する」といったことがないから刺激が少ない分つまらないかもしれませんが、ある意味すべてがアリな世界です。
ACが二元論・白黒思考から解放される考え方とは
二元論の外の世界はいわば何でもアリ(何でもなし)の世界であるため、比較もジャッジもしません。
何でもアリ・なんでもなしの世界なので何が正しいとか、何がいいとかも存在しない世界です。
こちら側からするととても幸せそうに見えるけれど、でも相手からすると当たり前だから幸せでもなんでもないといった感覚が近いと思います。
要するに、比較したりジャッジしたり感情的になったり、いいことがあったら悪いことが起きる・・・などといった考えをしないようにします。
- 意味のないニュースや出来事に対してジャッジして正義・悪などの決めつけをやめる→ただの風景をジャッジするのは意味のないこと
- 辛い感情が湧いてきても、二元論に囚われていたということを思い出す。→嬉しいことがあったら辛いことも起きるという思い込みなど
- 自分の感情は自分で決めていいので、平常心を心掛ける。→わざわざ感情的にならなくてもいい。
など、自分と他人を無意識に比較したり、極端な思考の癖を少しずつ治していきましょう!
さいごに
ACの方は、無意識に比較をしてしまう世界で生きてきたので白黒思考になりがちで、善悪のジャッジをしてしまう方もおります。
ですが、毒親と世間の板挟み状態で、何が正しいのか分からない、他人と違う・・といったことを抱えているので、何が正しいのか分からないけれど、その場でジャッジしてしまうといったことも多いんです。そうなると余計にいろんなことが矛盾して見えてしまうので生きづらさを抱えてしまうのです。
世間・自分の価値観・何が正しいのか分からないうちは、比較したりジャッジしてしまうといった考えをしないようにしていきましょう。
また、普段考えることも一番最悪なことを予想してしまうなど極端に考えてしまう方もいらっしゃいますが、自分の頭の中なんだから何を考えても自由なのに、悪い方に極端に考えがちになったりもするので気をつけましょう。