学校などの集団行動のデメリット
学生時代の集団行動の洗脳によって、大人になってからも悪影響を及ぼすこともあるのはご存知でしょうか!?
大人になっても自分で決めていいことでさえ、世間や周りを気にしてしまい、自分の心の声を無視してしまって自分で決めることができなかったり、なんかモヤモヤしてしまうなんてことがある場合、子ども時代に染みついた集団行動による影響を受けている可能性があります。
集団行動とういうものは基本的に、集団心理を利用して個人の行動を縛っており、先生など管理する側からするととてもいいシステムなので日本の教育現場で用いられています。
だってグループからはみ出すことに恐怖を与えたり、みんなと同じ行動をできない人を責め立てたり恥をかかせたりすることでみんな同一の行動に導きだすので管理する側からするととっても便利なシステムなんですね。集団行動は、周りにばかり合わせてしまうことで窮屈に感じたり、強すぎる仲間意識がいじめに発展することなどいったデメリットもかなり多いのも事実です。
集団行動が苦手だったり楽しく感じないのも実は自然なことだったのです。
では、集団行動の心理である、集団への同調・集団凝集性・集団同一視といったことについて解説します。
1.【集団への同調】自分で考えることをやめて、集団の意見を気にするようになる
集団行動の大きなデメリットの一つとして「思考停止」と呼ぶこともあるのですが、自分で考えたり判断することを辞めて、集団の意向に従うようになっていくことです。
実は、自分の意志や考えも、様々なものや人や情報からの影響により変わると言われており、集団という大きな集合になると個人の考えなどは簡単に変わってしまうのです。
自分の思う通りに発言も行動もできなくなってしまうのでストレスも溜まるのですが、徐々に感覚も麻痺していって、自分よりも集団の意向を考えるようになっていきます。
■同調行動の例:流行のファッション
みんなが流行の服装をしていたら、オシャレに見えてきますし、自分にとっては好みではなかったとしても「流行に乗り遅れているとは思われたくない」「みんなと同じことをしなくては」といった心理が働いて、流行の服を買ってしまうことも多いですよね。
私たちは「多くの人が買っているものなら、信頼できる商品なのだろう」と無意識のうちに判断しているのです。
(出典:https://woman.mynavi.jp/article/190930-28/)
2.【集団凝集性・集団同一視】集団へ依存してしまうことで個々の責任感やモラルがなくなり、いじめも発生することも
集団凝集性により仲間意識も強くなりますが、集団行動をできない人を異質とみなしたり、自分自身も集団の一部と捉えるようになってしまうことから、自分よりも集団を優先させてしまいます。
集団に依存してしまうことで安心感も得られるので、自分のやるべきことをしなかったり、集団行動ができない人をいじめるなど個人の責任やモラルが低下することもあります。
- 受験を控えているのに、周りに合わせてしまい自分のやるべき勉強をやらない
- みんながいじめているので、自分も加担してしまう
その理由は、集団凝集性や集団同一視といった心理的な作用が働いているからです。
集団凝集性とは、集団の一員であるという動機付けで、クラスの一員であるという役割を担わせたり、自分以外のメンバーとの相互作用や、目的に向かう探求心などにより、集団に属する帰属意識を高めていきます。自分がクラスの一員であることに喜びや存在価値も与えているのです。連帯感や仲間意識が強くなるのですが、集団に馴染めない意見や人を受け入れられなかったりいじめが発生することもあります。
集団同一視とは、ある集団に所属し、その集団に依存感情や親愛の情を持つ様になり、さらにその集団に尽くすことに喜びを見出すようになるというものです。自分と集団を同一視してしまうことです。チームが負けたのに、自分が負けたと感じてしまうといったことも、集団同一視が働いているからです。
上記のような集団心理が働くと、集団から逃れたら生きていけないと思い込んでしまいます。
また、集団行動ができない人を強制的に正したり、晒し者にしてしまうといったことも教師によって行われるので、ますます集団行動から逃れられないと思い込んだり、最悪の場合、集団に馴染めない人をいじめるようになっていきます。
集団心理は、人間の恐怖心も利用しているのです。
このようなデメリットも!
■例)受験が絡む場合の集団行動のデメリット
中学受験の場合は勉強に集中するために6年生の秋から不登校になる児童も珍しくありません。ですが一方で、猛勉強をしないと受かりそうにない状況であっても、真面目に学校に通って授業やクラスメイトに合わせてしまい勉強がが進まないといった受験生も多いのです。自分のやるべきことや未来よりも、今後あまり会うこともない小学校の先生やクラスメイトの評価を気にしてしまうのです。集団行動の縛りが働いてしまい、自分のやるべきことに集中ができなくなってしまうのです。
■例)詐欺や怪しい商品も集団凝集性を使っている時も
セミナーなどで「仲間」「みんなでお金持ちになろう」など仲間意識を高めたり、自分もその組織の一員になれるということを発信することによって、怪しい商品も売れるといったこともあります。最初は胡散臭い商品やセミナーでも、仲間意識が生まれて、次第に怪しい商品だと思わなくなるといった心理が働きます。
3.集団からはみ出ることに、罪悪感や劣等感を感じるようになる
上記の心理的な作用により、集団からはみ出ることに罪悪感や恐怖を感じるようにもなってしまいます。
集団に属していない人や意見を受け入れられなくなることを目の当りにしてきたり、自分も集団の一部とみなしてきたので、集団からはみ出ると生きていけないと思い込んでしまいます。
本当は自分のやりたいことや言いたいことがあるけれど、集団と違うことをすることに抵抗を感じてしまうので、思うようなパフォーマンスを発揮できないということもあります。
4.自己主張できないOR自分の意志が反映されない場合、ストレスが溜まる
集団の中で自己主張ができない人は、イライラしたり、ストレスも溜まります。
特に学校の場合は、スクールカースト上位の人間の自己主張が反映されるようになっているので、自己主張の仕方が分からない、自己主張が毎回通らない人は自己主張をしなくなってしまいます。
自分の意向が通る人は毎回通るけれど、通らない人は全く通らないといった不平等が生じてしまいます。集団に流動性がない場合は、いつも同じ人間が優遇されるようになってしまうのです。
集団行動のデメリットのまとめ
集団凝集性により、仲間意識を育みますが強すぎる仲間意識は集団行動ができない人を追い詰めたりいじめも起こることが多いのではないでしょうか。
自分で考えたり判断したりする力も低下して、集団の意向ばかり尊重するので、自発的に行動できない人間になってしまうこともあります。これは大人になってからも周りの顔色を伺ってしまうので自分で将来を決めることができなかったり、常に周りを気にしてしまうので自分が思うような選択や行動ができなくなる場合もあります。
所属する集団が自分にとって有意義であれば問題ないのですが、自分に合わない集団の場合は、自分の能力を削るだけでなく、我慢する一方なのでストレスが溜まり窮屈な思いをしてしまいます。
集団に属さないと生きていけないと思いこんでしまうことで、自分のやりたいことや実現したいことでさえも周りの目を気にしてしまうので何もできないまま終わることもあります。
他にも、学生時代は、運動会、修学旅行、課外授業・・・などの多数の学校行事があり、いずれも集団行動を求められる場合がほとんどですが、どうしても嫌な行事に参加する必要性はないのかなと個人的には思います。というのも、学校行事は大体のことが想像ついてしまいます。
行事に参加してどんなメリットが得られるか、行事に参加しないことによるどのようなデメリットがあるかなどを冷静に考えて判断して、自分自身で参加の是非を決めてもいいと思うんですよね。
それが自分で判断して決断するという決断力を養う経験にもなります。
社会に出てからは、自分の行動を自分で決めて行動するしかありません。いざとなったら上司も同僚も責任を取ってくれません。自分が会社のためにどのように行動することがベストか、自分で会社を立ち上げる場合は自分で何もかも決めて行動しないといけませんよね。