アダルトチルドレンの方の中には、人一倍周囲の影響を受けやすく、他人に合わせすぎてしまうといったHSP的な特徴も持ち合わせている場合も多くみられます。
今回の場合、プラケーター型にのみ該当している特徴のように見えますが、実際はACの方って様々なタイプを複合的に持ち合わせているタイプが多いので当てはまる方も多いのではないでしょうか。
人に合わせすぎても心が満たされないし、生きづらさを抱えてしまうのも実は承認欲求が関係しているのです。
では、生きづらさの原因の一つである、他人に過剰に合わせてしまったりNOとは言えない理由についてお話します。
他人に合わせてしまったり、嫌(NO)とは言えない理由
主な原因は以下の4項目
- 他人に合わせて必要とされることで承認欲求を満たそうとする。
- コミュニケーション・常識など何が正しいのか分かっていない。
- 自分の感情・意見・本能が欠落してしまった。
- 自己肯定感が低い。
他人に合わせてしまう、嫌とは言えないのはあなたの性格の癖ではなく、承認欲求の欠乏が大きく関係しています。
まずはじめに、アダルトチルドレンの方を生み出す機能不全家族は、無関心、過干渉、過保護、虐待・・・など健全とは言えないコミュニケーションが繰り広げられています。
そのため、愛情・共感・励ましあい・安心感・信頼・・などの人との健全なコミュニケーションが欠乏しているので、残念なことに毒親育ちの子どもは、普通の家庭と比べて「承認欲求」が明らかに満たされていません。
「承認欲求」とは、他者からの賞賛だけでなく、愛情・共感・励ましあい・安心感・信頼・・などの人との健全なコミュニケーション全般も含まれるので、承認欲求が欠乏してしまうことにより、様々な衝動に苦しめられてしまう場合があり、それが他者への依存などにも関係しているのです。
今回の他人に合わせてしまったり、嫌と言えないのも「承認欲求が欠乏している」ことが大きく関係しています。以下の例で確認してみましょう。
1.他人に合わせて必要とされることで承認欲求を満たそうとしてしまう。
程度は様々ですが、毒親に育てられた子どもは、親が話を聞いてくれたり、共感してくれたり、寄り添ってくれる・・・などといった経験がほとんどないので、「承認欲求」が満たされていない場合がほとんどです。
「承認欲求」は他者からの賞賛以外にも、他人との良好な関係、信頼、共感、安心感なども該当しているので、健全な人間関係全般のことを指します。
その子どもは、欠乏している承認欲求を満たそうとするあまりに、他人に合わせて必要とされることで承認欲求を満たそうとしてしまうのです。
だから、大切にされなくても相手に依存してしまうといったことも度々起きてしまいます。
毒親は自分には共感してくれないのに、親の愚痴を聞いたりして共感しないといけないといったプラケーター型の例でさらに詳しく説明していきます。
プラケーター型の例:毒親の愚痴や感情の共感を強要される
毒親によっては、愚痴、悪口を子どもに言い聞かせたり、ヒステリックを起こした際に慰めることを暗に強要してくる場合があり、
この場合、子どもは「可哀そうな親の助けになりたい」「話を聞いたり、自分ができることはしてあげたい」といったように、毒親の気持ちに共感したり、寄り添ってあげたいと思ってしまいます。
普段から酷いことを言われたり、人によっては虐待を受けているのに、何で??って思うけれど、親の愚痴や慰めをすることで、親とコミュニケーションとったり、必要とされるので、欠乏している承認欲求が一時的に満たされるんですね。
欠乏している承認欲求を満たすために、子どもはそこまでして頑張ってしまうのです。
だから、親の心を読む・意見を合わせることが承認欲求を満たすことにつながるので、普段も酷い扱いを受けていても、嫌といえなかったり・毒親に合わせてしまうようになっていきます。
それが習慣化されると、毒親だけではなく、他人に対しても共感したり合わせようとしてしまうのです。
恐ろしいことに、嫌とは言わない・他人に合わせることで承認欲求を満たすことができるという思考が出来上がっているからです。
利用されたり、いじめに合うことも
そのようなことが定着していくと、人の心を読むのが当たり前・他人に合わせる・嫌と言えないのが当たり前となっていってしまいます。
残念なことに、自分自身のことはどんどん疎かになってしまうし、嫌とは言わないので一方的に利用されるようになっていってしまったり、いじめにも発展する場合があります。
他人に合わせることで、自分が必要とされた感覚になり一時的に承認欲求は満たされますが、長期的には利用されるようになったりいじめにあったりなど、ますます承認欲求が満たされていきません。
他人に合わせることで承認欲求を満たそうとしていたけれど、余計に満たされなくなってしまうという辛い状況に陥ってしまうんですね。
それが人間嫌いになったりや生きづらさにも関係しています。
2.コミュニケーション・常識等、何が正しいのか分かっていない。
ACの方の場合、親からの常識・社会の仕組み・人との関わり合い方などが全く教えられていない場合も多いので、人とコミュニケーションをどのように取っていくのか、場に合わせた振る舞い方、自分の中の正しい価値観などが全く備わっていない場合が多いんです。
テレビやネット、友達などの振る舞いを真似しても人間関係が上手くいかなかったり、もしくは自分ばかり犠牲になってしまうといったこともあります。
また、正しい常識・適切なコミュニケーションが分かっていないから、よかれと思ってやったことが嫌わてしまったということもあります。
そのため本人もとても混乱しているのです。嫌われたくないのでその場で他人に合わせてしまいますが、モラルが欠けている・非常識な対応をされても、正しいことが分からないから合わせてしまうのです。
このように何が正しいのかが分からなかったり、常識など分かっていないと、適切なコミュニケーションや距離感が分からない、混乱してしまうからいつも疲れがち、頑張っても評価につながらない、犠牲になってしまう、ストレスをため込む、人間嫌いになるといった悪循環に陥ります。
このように、コミュニケーション・常識など生きていくためのスキルが理解できていないだけでも生きづらさを抱えてしまいます。
3.自分の感情・意見・本能などが欠落してしまった
アダルトチルドレンの方って、どんなに辛いことがあっても自分の感情に蓋をして何事もないように生きてきた方が多いんです。
こんなに我慢したり大変な思いをしているのに、それすら分からなくて感覚がマヒしているんですよね。だから自分の感情・意見・本能も欠落してしまっているから辛いことかどうかもよく分かっていないことが多いと思います。
怒っていい場面で怒れなくて相手に合わせてしまったり、自分の意見も言えなくて相手に合わせてしまうと、モラハラ系からターゲットにされてしまう場合があります。
恐いのは、承認欲求も満たされていない、自分の本能も欠落してしまっていると危険な相手かどうかも分からないまま依存してしまうことがあります。
4.自己肯定感が低い
他人に合わせてしまう、嫌と言えないのは自己肯定感が低いことも原因です。
アダルトチルドレンの方は自己肯定感が低かったり、依存体質の方も多くみられます。
その自己肯定感が低くなってしまう原因も毒親の影響が大きいので、できるだけ毒親とは距離を置きましょう。
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他人に合わせてしまう、嫌(NO)と言えるようにするためには
自分の意見を言ったり、嫌(NO)と言えるようになるには、承認欲求の仕組みを理解したり自己肯定感を上げていくことが必要です。
自分の意見をやみくもに言ったり押し付けるのではなく、良好な人間関係を築いていくことが大切です。良好な人間関係により、過度に他人に合わせなくても承認欲求を満たせるようになるからです。
1.承認欲求の仕組みを理解します。
承認欲求は人間が生きていくための欲求の中でもかなり強い欲求なので、それだけ家族間であっても良好な人間関係を築くことは大切なことです。
あなたはたまたま、毒親の元に生まれ、機能不全家族で育ったからといって承認欲求を満たしていけないというのは間違いです。
毒親の元に生まれ育って承認欲求を満たされないまま成長しましたが、これからの人生で出会う人や自分自身が変わることによって、いくらでも承認欲求は満たしていけるようになります。
承認欲求の仕組みを理解するには、マズローの欲求階層を理解していくことが必要であるため、以下をご覧くださいね。
皆様こんにちは、臨床心理カウンセラーのNOAです。 いつまでも満たされない、何をしても集中できない、不安で落ち着かないし、何とかしなくちゃと追い詰められてしまうといった心理状態に陥って人生が苦しかったり悩んだりしていませんか?? […]
2.自分を大切にしましょう。
自分を大切にできないと、他人からも大切にされないくなってしまいます。
自分に自己投資できなかったり、過度に我慢ばかりしてしまうのは、自分を蔑ろに扱っていると同じことです。
節約や我慢が美徳と言われていますが、自己投資をしたり自分がほしいものを手に入れることは悪いことではありません。
自分で自分の機嫌を取ってあげるなど、日々の生活でもできるだけ自分を大切にしましょう。
普段の日常では自分を一番犠牲にしてしまっている方も多いのではないでしょうか? やはり自分を大切に扱うことができないと以前の私のように、「イライラ・不安・不満・ストレス・対人関係も上手くいかない・人生が辛い」といった負のループに陥ってし[…]
3.自己肯定感をあげましょう。
アダルトチルドレンの方、自己肯定感をぜひ上げていってください。
やりたいことをやる、嫌な人とは距離を置く、自分の能力を信じて様々なことにチャレンジする・・など自己肯定感を高くしましょう。
自己肯定感を高めることによって、目標に向かって努力することができるようになったり、自分の欠点も受け入れらるようになったり、自分も世間に対しても肯定感な考えができるようになります。
今までは自己肯定感が低いという世界が当たり前だったかもしれませんが、自分を肯定して楽しく生きるという世界感も身に着けていくことで、他人にも依存しない、他人に無理やり合わせなくてもいいということに気づけるようになります。
皆様、こんにちわ!臨床心理カウンセラーのNOAです。今回は自己肯定感についてお話したいと思います。 自己肯定感が低いと、自信がない、自分にはできないと思ってしまう、成功できないって妄想してしまう、他人の機嫌ばかり伺ってしまう・・・など[…]
4.常識・振る舞い・何が正しいのかなどをしっかり学び確立しましょう。
親が非常識だったり、世の中のことを何も教えなかったりすると子どもは、公共の場で不適切な発言・振る舞いをしてしまいます。
また、毒親の間違ったコミュニケーションの取り方・考え方を真似てしまうことにより、世間と毒親の板挟みになるので何が正しいのか分からない、価値観が定まらないため、常に混乱してしまいます。
間違っていることでも他人に合わせてしまう、自分でも何が正しいのか分からない・・・そういった生きづらさを抱えてしまう要因も毒親の影響です。
今からでも遅くはないので、何が正しいのか・世間のこと・常識・振る舞い・仕事・恋愛のこと・・・など、学ぶだけで本当に生きやすくなります。
普通の家庭では教えてくれることが、教えられていないOR間違ったことを教えられているのがACの方なんです。
是非、カウンセリング時にご相談くださいね。
5.人との距離の取り方などコミュニケーション術学ぶ。
やっぱり、アダルトチルドレンの方が苦しんでしまうのが他人との距離感の取り方が分からなかったり、距離を置かれてしまうということではないでしょうか?
もちろん、他者との良好なコミュニケーションは承認欲求を満たすのにとても役立ちます。
人との適切なコミュニケーションを学ぶことにより、必死にならなくてもお互いが自然体でいられるような関係ができるようになります。
承認欲求を満たしたいあまりに他人から見た自分ばかり気にしてしまうと、相手の考えや表情などが読み取れないばかりか、理想の自分を押し付けてしまうために良い印象が残りません。
常識的なふるまいや、周囲の人を思いやるコミュニケーションを取りましょう。そうすることで、恋愛・仕事なども上手くいったり、自分自身もとても楽になります。是非カウンセリング時にご相談ください。